高反発マットレスのへたりが早い?原因は選び方が間違っているから!
最近流行りの「高反発マットレス」。腰痛対策にも良いと人気です。
しかし、「どのくらい使うとへたりが来るのか?」という点は気になりますよね。
また、実際に買ってみたけど「へたりが早くて損した!」という声も多いです。
高反発マットレスが早くへたってしまう原因には「環境や使い方」も大きく関わりますが、「どの高反発マットレスを選ぶか」がもっとも重要です。
数多く販売されている高反発マットレスの中から、へたりなく長持ちして使える商品を選ぶためのポイントをご紹介致します。
※この記事では、「ウレタン素材」の高反発マットレスについて解説しています。
■目次
「密度」が高反発マットレスのへたりを左右する!
高反発マットレスのへたりが早い原因として、「低密度」であることが挙げられます。
「高反発」かつ「高密度」であることが、マットレスが長持ちするポイントです。
しかし紛らわしい表記もたくさんあるので、マットレスの密度に注目する際は、以下のポイントに注意しましょう。
- 高密度「30D」以上あるか
- 表示されている密度が「重量(kg)/サイズ(㎥)」と合致しているか
- 密度を示す証明書はあるか(どこの機関が発行しているか)
- 耐性試験を示す証明書はあるか(どこの機関が発行しているか)
まず大前提として、マットレスが高反発であることと、高密度であることは、別ものです。
「高反発」の度合いは、単位「N(newton)」で表され、数字が大きくなるほど反発力が強くなり、感触が硬くなります。
高反発マットレスの販売サイトなどを見たときにある「150N」「200N」などの表記がコレですね。
一方、「高密度」の度合いは、単位「kg/㎥」で表され、数字が大きくなるほど密度が高くなり丈夫になります。
高反発マットレスの販売サイトなどを見たときにある「25D」「30D」などの表記がコレですね。
Dは密度(Density)のことです。
たとえば「高反発・低密度」であれば、反発力があり硬いので一見丈夫そうに思えますが、かかる圧力が大きければ早くへたります。
小柄な女性が寝てもへたりにくいけど、体格の良い男性が寝ればすぐへたるという感じです。
「低密度」とは、要するに中がスカスカということです。
「高密度」であるほど中身が詰まって弾力性が高くなるので、丈夫で長持ちします。
ある程度へたりなく長期間使おうとするならば、「30D」以上の物を選びましょう。
30D以上の高密度なマットレスほど、金額も高くなるのが一般的です。
素材の原価が高くなるので、当然ながら販売価格も高くなるのです。
しかし、市販されている高反発マットレスを見てみると、「30D」などの高密度な表記をしているのに数千円という安価で販売されている物が多数あります。
「同じように高反発・高密度なら、安い方が良いじゃん!」と思いますよね。
しかし、安価なのに高密度を謳っている高反発マットレスには、重量表示があいまいだったり辻褄が合わないケースが多々あります。
これは、ネット販売されているA社の例です。
表記 | 製品1 | 製品2 | 製品3 |
---|---|---|---|
反発力 | 175N | 〃 | 〃 |
密度 | 25D | 〃 | 〃 |
縦横サイズ | 195×97 | 〃 | 〃 |
厚さ | 4cm | 8cm | 10cm |
重量 | 5kg | 6kg | 6kg |
価格 | 3,980円 | 5,480円 | 5,980円 |
同タイプのシングルサイズの高反発マットレスで、3種類の厚さが選べます。
同密度であるなら製品3は製品1の倍以上の重さがあるはずですが、重量表記は1kg違い。
厚さ8cmと10cmも同じ重量というおかしな表記です。
上記はほんの一例ですが、ネットで販売されている安価な高反発マットレスには、こういうデタラメな表記をしているケースが大変多いです。
単なる記載ミスという可能性もありますが、「開封したら返品できません」「届いてから3日経過したら返品できません」などの条件がある場合もあり、実物を確かめてから「あれ?記載と違うじゃん!」と判明しても返品できない可能性があります。
また、メーカーが正確に重量を表示している場合でも「外側のカバーの重さ」が含まれている場合があります(※製品重量と表示されている場合、カバーの重さ約1kg程度も含まれていることが多いです)。
ウレタン部分のみの重量を表示しているわけではないので、こちらでは正確な密度計算ができないことが多いのも事実です。
「じゃあ買う前に密度なんて確認できないじゃん?」てことになるのですが、その場合に有効なのが「検査機関による密度の証明書」です。
これはマットレスの販売ページでよく見かけると思います。
「第三者機関で証明されました」などと書いて検査結果の用紙を表示していることが多いですね。
この場合、証明として掲載する意味があると言えるのは
- 検査機関の名称が載っている
- 検査用紙の内容が目で確認できる
ものです。
素人にとって密度証明の機関名まで知る必要はありませんが、証明としているからにはここが確認できないと掲載している意味がありません。
密度をごまかして販売する業者が多いのも事実だからです。
もしも30D以上の高密度が本当で、「しかも激安」なのであれば買う側にとってはありがたい限りですよね。
しかし次に考えたいのは「品質」です。
密度を高くするために、ウレタンの製造過程で何かしらの「混ぜものをした」ということも考えられるからです。
「混ぜものしてたって高密度で丈夫になるならいいじゃん?」て話なのですが、そうすると今度は「品質」が落ちる可能性が高いです。
つまり最初は高密度で丈夫でも、早いうちに劣化してへたりが出やすいということです。
こうなってくると、ますます買う側が商品を見極めるのは困難になりますよね。
「ウレタンの密度や品質」なんて、現物が目の前にあったって良いか悪いか判断できません。
この場合、品質のひとつの基準として考えたいのが、ウレタンの「復元率」です。
消費者庁が定めるウレタンマットレスの品質表示として、JIS K6400-4に規定する測定方法から算出した数値を「復元率◯◯%」と表示することになっています。
ウレタンの質が悪ければ復元率も落ちるはずなので、「復元率」の検査結果を証明として掲載していることも、品質を見分けるポイントのひとつになります。
もちろん、「復元率」の証明書に関しても、どこの検査機関で証明されたものかがわかるのがベストです。
「厚さ10cm」以上ある高反発マットレスはへたりにくい
高反発マットレスのヘタリ具合には「厚さ」も関係してきます。
使用する人の体重にもよりますが、厚さ10cm以上あれば安心と言えます。
たとえば寝た時に腰の部分が4cmほど沈み込むとして、マットレスが4cmでは底付きしてしまいますよね。
ではギリギリ5~6cmあればよいかというと、そうでもありません。
マットレスが体圧を分散するためには、それを受け止める分の厚みが必要だからです。
「使う人の体重」「マットレスの硬さ(反発力)」「マットレスの密度」によっても必要な厚さは違ってきますが、10cmあれば体重の重い人でも充分だと言えるでしょう。
「保証」のついた高反発マットレスは安心!
高反発マットレスは「保証」が付いているものが安心です。
「◯◯日間返金保証」や「◯年間品質保証」といったものがあります。
「◯◯日間返金保証」があると試しやすい
最近の高反発マットレスに多いのが「◯◯日間返金保証」というサービスです。
最初の購入時に代金は払いますが、「◯◯日間」はお試し期間として使用して、もし気に入らなければ期間終了後に返品できるという制度です。
「◯◯日」は「30日」「90日」などメーカーによって色々です。
実際にその期間寝てみることができるので、硬さや寝心地が確認できます。
また、少なくとも「◯◯日間」の間にへたりが現れることはないという想定でしょうから、それなりに品質の良い商品だと言えます。
つまり「◯◯日」はできるだけ長い方が良いですね。
ただし、返品の際は全額戻ってくるわけではなく、返品送料は自己負担だったり手数料がかかったりすることもあります。
そのあたりの詳細条件は購入前によく確認しておく方が良いです。
品質保証◯年は安心!ただし「条件」に注意
「◯年間品質保証」が付いている商品も安心です。
保証期間内に高反発マットレスにへたりや不具合が出た場合、新しい商品と交換してもらえます。
「◯年間」の期間が長いほど安心ですし、それだけ商品の品質に自信がある証拠だと言えます。
ただし、どんな場合でも保証対象になるとは限りませんので、保証の条件は購入前にきちんと確認しておきましょう。
「交換はするけど費用は一部負担」だったり、「へたりの判定基準が厳しい」など、条件によっては結局交換をあきらめてしまうようなこともあります。
高反発マットレスの「レビュー」は悪い意見を参考に!
販売されている高反発マットレスのレビューを見てみると、多くは高評価レビューです。
しかし、高反発マットレスのへたりに関する情報を確認したいなら、できるだけ悪い意見を参考にする必要があります。
「使って数日」の寝心地レビューはアテにならない
実際に楽天市場やAmazonなどで色んな高反発マットレスのレビューを見てもらうとわかりますが、良いレビューをしている人の多くは「使い始めたばかり」です。
「寝心地が良い」「安眠できて腰がラクになった」などの声が多いですね。
また、価格の安い商品であるほど「寝心地良くてコスパが良い!」ということで評価が高くなっていたりします。
しかし、高反発マットレスのへたりに注目するならば、参考にすべきは「半年以上使っています」などの、ある程度の長い期間使ってみた人の意見です。
使用してたった数ヶ月で「へたり」が出たり「腰痛が逆に悪化してくる」などの症状が表れるのが、低品質のマットレスの特徴だからです。
「クレーム」にマットレスの品質が現れているかも
低品質だと思われる高反発マットレスのレビューに多いのが
- ニオイがひどい。とても寝られない
- 届いた時点でマットレスが変形していた
といったクレームです。
ウレタンはニオイを吸着放出しやすい性質ではありますが、「寝られないほどクサい」「1週間以上置いてもニオイがとれない」となると異常です。
何か異質な原料を混ぜて作っているか、劣悪な環境で作られていると考えられます。
もちろんニオイの感じ方には個人差もありますが、レビューの多くで「ニオイがひどい」とあるなら要注意。
低品質でへたりの早いマットレスかも知れません。
また、「届いた時点で商品が凹んでいた」とか、「圧縮されて配送されてきたけれど、全然膨らまない」などの低評価レビューにも注目しましょう。
いわゆるウレタンの「復元率」に関わる部分なので、マットレスのへたりやすい品質を表していると言えます。
高反発マットレス「販売元」の誠実性は大丈夫?
商品以外で注目したいのは、高反発マットレスの「内容やサービスについての表記」についてです。
いわゆる「誇大表現」や「紛らわしい表記」がある商品だと、販売元の信頼性が問われます。
誠実性のない販売元の商品は、やはり低品質であることが多いのです。
誤字脱字や意味不明な文章は無いか?
人気の高反発マットレスに類似したような商品のサイトを見てみると、サイトの構成やサービス内容も人気商品とよく似ていることが多いです。
そして、
- 誤字脱字が多い
- 意味不明な文書になっている
などの点が見受けられます。
これは、人気商品のマネをしているだけだからです。
コピペでない程度にマネをして作成しているので、よくよく見ると意味不明な内容になっていたりします。
本来、思い入れと自信のある商品であれば、そのようなことにはなりません。
耐圧試験などの「証明書」に信頼性はあるか?
「耐圧試験」や「密度検査」、「ホルムアルデヒド検査」など、高反発マットレスの販売ページには品質を証明するための「証明書」がよく掲載されています。
しかし、多くの高反発マットレスの証明書は
- 画像が小さすぎて文字が読めない
- 検査機関がどこなのか明記していない
ことが多いです。
高品質なマットレスであるほどそのような証明書を載せていないことも多いので、必ずしも証明書の掲載が必要なわけではありません。
しかし、商品の信頼性を上げる目的で掲載しているのであれば、内容が確認できないような証明書には意味がありません。
むしろ、商品を売るための小技として利用していると思って良いでしょう。
流行りの「◯◯日間返金保証」!詳細まで確認できるか?
最近の流行りなのか、高反発マットレスの中には「◯◯日間返金保証」をいうサービスをしているところが多いです。
「◯◯日」の部分には、「30日」「90日」などが入り、その期間に実際に商品を使用してみて、気に入らなければ返品・返金に応じますよ、という制度です。
高反発マットレスは実際に寝てみなければわからないので、これは画期的でありがたいサービスだと言えますね。
しかし、気をつけたいのは、その返金保証の詳細条件まで確認できるか?という点です。
返金は本当にできたとしても、「一切負担なしで返品できる」「返品送料だけ自己負担」「往復の送料が自己負担」などの条件は各社違います。
返金保証の詳細まで明示していれば良いのですが、多くの高反発マットレスは「返金保証あり!」と謳っているだけでその詳細まで確認できません。
実は特殊な条件が存在し、いざとなったら返品できない…なんてことも起こり得ます。
返金保証を謳うのであれば、その詳細まで明示しているかどうかに販売元の誠実性が現れるところです。
高反発マットレスのへたりを軽減!長持ちさせる使い方
せっかく買った高反発マットレスは、できるだけ長く使いたいですよね。
最後に、高反発マットレスのへたりを軽減して長持ちさせる使い方についてご紹介致します。
1.定期的な風通しは必須
高反発マットレスの素材であるウレタンは、ホコリやダニの心配が少なく衛生的で使いやすい寝具です。ただし気をつけたいのは「湿気」です。
寝汗や湿気が高反発マットレスの中にたまってしまうと、ウレタンが傷んで劣化が早くなります。
結果、へたりやすくなってしまうということです。
また、高反発マットレスを敷きっぱなしにしていると、マットレスと床との接着面にカビが発生しやすくなります。
そのため、高反発マットレスは必ず週に1度は立て掛けて影干しするようにしましょう。
2.天日干しは厳禁
お天気の良い日には天日に当ててカラッとさせたいところですが、高反発マットレスを直射日光に当てるのは良くありません。
ウレタンは熱に弱いので、直射日光を当ててしまうと変形したり弾性が弱まったりして、へたりの原因になることがあります。
お天気の良い日は、直射日光の当たらない風通しの良い場所に立て掛けてあげるようにしましょう。
3.こまめに使う面を変える
高反発マットレスを長持ちさせるためには、一定の箇所にばかり圧力がかかるのを避けた方が良いです。
そのため、「高反発マットレスの上下を逆にして寝る」「高反発マットレスの表裏を逆にして寝る」など、定期的に使う面を変えてあげると良いです。
一番重い腰の部分が乗る場所を意識的に変えてあげるのが良いですね。
ずっと同じ箇所に腰が乗っていると、どうしてもその部分だけへたりが出やすくなります。
一度へたったウレタンは戻らないので、へたりが出る前に「使う面をアチコチ変える」ことを習慣にしておきましょう。
まとめ
価格の安いマットレスであれば、多少へたりが出ても「仕方ないか」と納得してしまうところもありますが、それでは結局損になります。
買い替えの手間や廃棄の面倒さもありますからね。
できるだけへたりの来ない高品質な高反発マットレスを選んで大切に使う方が、長い目で見ると絶対にお得ですよ。
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